英国諜報部すなわちフリーメーソンが明治維新の黒幕であったという新説。坂本龍馬は土佐藩と英国のダブルエージェントであり、武力革命を推進したい勢力に暗殺されたとする。フリーメーソンはその理想とする自由、平等の思想から各国の革命を影で操っており、日本にもその影響が及んだとする。おそらく歴史学者は相手にもしない珍説であるが、一定の説得力があるのが不思議なところ。確かに作者のロジックでいけば、謎とされる歴史的な事件に腑に落ちる説明がつくのように見える。ただそれは現代からみた結果論というそしりを免れない。第一歴史ないし我々のもつ龍馬の英雄像のロマンが失われる。ただ読み物としては面白かった。
仮定は以下の通り()は私の信用度
- 龍馬は土佐藩のはなった間諜であった。(70%)
- グラバー、アーネストサトウは英国の諜報員(80%)
- 英国の目的は日本の開国による貿易利益(50%)
- 英国諜報部も統一が取れず、幕府と薩長の二股をかけていた(30%)
- 龍馬殺害の真犯人は中岡慎太郎である (20%)
龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン (祥伝社文庫)
- 作者: 加治将一
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/06/12
- メディア: 文庫
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