あやしうらめしあなかなし

怪談集。7編を収録し巻末にはメーキングも。著者の実家は山岳神社の神主とのことで、実際に法力のあった先祖も戦前までは存在したとのこと。各編とも戦前、戦後の題材が中心だが、戦争により引き裂かれた家族の哀しみが主題になっている。従軍医師と看護婦の悲恋を描いた「昔の男」が好み。流麗な文章で読みやすいところは流石です。

あやし うらめし あな かなし (双葉文庫)

あやし うらめし あな かなし (双葉文庫)