すべてのことはメッセージ

荒井由実の伝記小説。幼少期からデビューまでを描く。八王子の資産家の家に生まれ、恵まれた環境で育つ。母親が当時としては時代の先を行く積極的なタイプ。本人は成績優秀、何をしても才能を発揮。立教女学院で自由奔放に青春を謳歌。GSや洋楽に触れていく。中学生ですでに「翳りゆく部屋」の原曲を作曲。やがて見いだされ新しい音楽を自ら歌うことになる。登場人物は日本の音楽界を担う人々で絢爛豪華。ほとんど知られていない生い立ちを丹念に描くが、少しディテールが過ぎる嫌いがある。