構図がわかれば絵画がわかる

著者は東京芸大の准教授。専門は美術解剖学。芸術論に加えて解剖学も学ぶ。前半は絵画の構図の入門書。章立てで言えば、平面(点と形)、奥行き(空間と次元)、光(光と色)となる。2次元の絵画にいかに画家が宇宙を展開するかを名画を実例にわかりやすく解説する。後半は一転して釈迦の生涯から仏像の誕生までを述べる。インド美術への深い思い入れを吐露した形。全体の構成としてはやや首をかしげたくなるが、読んでみての違和感はさほどでもない。

構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)