アラブの春は終わらない

著者はモロッコ出身のフランス人作家。チュニジアに始まったアラブの春を物語風に描く、きっかけは警官の不条理な賄賂要求に抗議した純真な若者の焼身自殺。権力側は封じ込めにやっきになったが、ネット社会の情報の広がりに流れは止められなかった。エジプト、リビアにはすでに革命が伝播し、やがてアラビア半島にも波及する。原動力はイスラム教とは関係なく、自由と公正を求める人間の本質である。独裁政権を認めてきた欧米政府にも批判を忘れない。日本からはなかなかうかがい知れない中東社会の本質。

アラブの春は終わらない

アラブの春は終わらない