どうせ死ぬ身の一踊り

芥川賞作家の私小説。世に知られていない大正時代の作家である藤澤清造に傾倒し、私費を投じて全集の発刊に挑む作者。菩提寺を訪ねて縁の下にうち捨てられていた木の墓標を持ち帰ったり、初刊本を額縁に入れたりと同棲する女性の稼ぎをつぎ込む。一旦はよりを戻すが、酒と暴力で結局関係は破綻する。自らの無頼な私生活を赤裸々に描いた私小説。これが処女作に近いようで、受賞後の文庫化。文章力は認めるが独自の世界で評価は微妙。

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)