著者が自らの美術遍歴を語る一冊。悩み多き青年時代に出会ったデューラーの自画像に啓発され、自分の存在意義を見いだしたとする。突き詰めて言えば芸術作品は作者のアイデンティティの追求であり、それに感応するところに観る側の価値がある。全般に形而上の論述に鳴らず、感動した作品を次々に紹介する。守備範囲は洋の東西を問わず、絵画から白磁、円空仏と幅広い。残念ながら個人蔵で一般には公開されていない作品も多い。共感できる一冊。
- 作者: 姜尚中
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/09/16
- メディア: 新書
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