閉塞感のある日本の現状解析と打開への提案。坂本龍馬になぞらえ「日本を今一度せんたくいたしたく」がテーマ。21世紀はアジアの時代になるが、これは18世紀に立ち返るリオリエント。グローバル下では国力は結局人口比例となる。日本は東アジアで数少ない成熟した社会のメリットを活かすべしとのことで、環境、安全、健康がキーワードとなる。現在のデフレは物価の安定ととらえるべき、官僚は性善説。その能力を活かすべしと説く。格差の打開には大きな政府による所得の再配分が必要。前半はデータ満載で説得力に富むが、後半の主張するところは弱い。日本の現状を象徴すると言えばそれまでだが。
- 作者: 榊原英資
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/04/23
- メディア: 新書
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