海の底

自衛隊モノ。巨大化した甲殻類が横須賀を襲う。潜水艦内に取り残された見習士官と子供たち。潜水艦モノなのに結局潜航せず、艦内での人間模様を描く。憲法の規定により何もできない自衛隊の無力とジュラルミンの盾だけで戦う機動隊の矛盾に作者の皮肉が垣間見える。一方で業を煮やした米軍の爆撃が刻々と迫る。重層な構成の中で、不器用な夏木と女子高校望の純愛が絵がかれ微笑ましい。ライトノベルであるが出来のいい一作。

海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)