格闘するものに○

著者のデビュー作。編集者として出版社に就職を希望する女子大生の独白形式。私小説に近い。厳しい現実にシニカルに立ち向かう。政治家である父の後継を巡るお家騒動。恋人であった老書道家との別離を借景に一夏が描かれる。早稲田の文学部の友人達との知的な会話が心地よい。あふれ出る才能に、その後の活躍は納得させられる。

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)