黙秘

法廷モノ。副題にあるように裁判員裁判をさっそく題材にする。被告の人徳家はストーカーに殺された娘の恨みをはらしたとして殺人罪で訴えられる。肝心なところで黙秘するのは誰かをかばっているように思われが、公にしたくない家族の秘密がやがて暴かれていく。灰色無罪を勝ち取ることになるが、被告の心はむしろ深く傷つく。とってつけたような結末は救いをさしのべるものだが、納得いくものではない。

黙秘 裁判員裁判 (集英社文庫)

黙秘 裁判員裁判 (集英社文庫)