法廷モノ。副題にあるように裁判員裁判をさっそく題材にする。被告の人徳家はストーカーに殺された娘の恨みをはらしたとして殺人罪で訴えられる。肝心なところで黙秘するのは誰かをかばっているように思われが、公にしたくない家族の秘密がやがて暴かれていく。灰色無罪を勝ち取ることになるが、被告の心はむしろ深く傷つく。とってつけたような結末は救いをさしのべるものだが、納得いくものではない。
- 作者: 小杉健治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る