日本軍によりキスカ島に置き去りにされた軍用犬。その血統を引き継ぐ犬たちの数奇な運命を描くフィクション。冷戦の狭間で、米ソにわかれあるものは軍用犬として利用され、ベトナムやアフガンでの戦いに投入される。冒頭の犬たちの系譜が示すように壮大なプロット。これが無ければフォローしていくのが困難なほど。ソ連の崩壊とともに犬たちも処分されるラストは哀れである。軍用犬がどこまで利用されたかは謎のまま。
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05/09
- メディア: 文庫
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