なぜ伊右衛門は売れたのか

清涼飲料としては異例のメガヒットとなったサントリー伊右衛門。その商品開発プロセスを描いたノンフィクション。自由な開発風土のサントリーと京都の老舗福寿園とのコラボでの大成功。その裏には担当者のプアール茶での苦い経験があった。分野は異なるもののプロジェクトチームとして学ぶべき点は多い。記述は淡々とスピーディだが、これだけのサクセスストーリにしては簡潔に過ぎる気もする。ふくらませようはいくらでもあるだろうに。

  • 商品開発担当者は開発商品を本気で愛するたった一人の存在。それだけに「完璧主義」「即答主義」が求められる。
  • 企画を推進するか否かは、間違いなくストップさせるほうがイージーに決定できる。トップは自分が100%反対の考えを構築できない場合やらせるべき。
  • 福寿園にとって、会社はは事業でなく家業。代々の暖簾に傷をつけることをおそれ、当初躊躇した。
  • 薬師寺の西塔が世に認められたのは、1300年前の東塔に匹敵する素晴らしい品質を持っているからこそ。初代「伊右衛門」の名を冠する商品を世に送り出すに際しての覚悟。

なぜ、伊右衛門は売れたのか。

なぜ、伊右衛門は売れたのか。