空中ブランコ

型破りな精神科医を主人公とする連作形式。それぞれの分野で名を成しながら、人に言えないストレスや悩みをかかえる人々が、不思議な人格の神経科医によって癒される。全般コミカル仕立てになって軽快に読ませるが、患者たちはそれぞれ自分の原点、根っこの部分を見つけることで、回復への道を見いだす。思わずにやり&じんわりさせられる。脇役だった無愛想な看護婦の最後の役付けが見事。

  • 人間の宝物は言葉だ。一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが言葉だ。その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう。(女流作家)

空中ブランコ

空中ブランコ