ネットカフェ難民

格差社会の底辺として、ネットカフェで終夜を過ごす生活を赤裸々に描く。衣食住のノウハウから日雇いの派遣業務まで実体験が語られる。ただし作者の場合東京芸大でのある意味エリートであり、追い詰められたと言うよりは自ら選んでこの境遇に入った疑似体験であり、最後には逃げ道が用意されていることは自身が示唆しており、圧倒的多数の人がもつであろう切迫感はない。その意味で一部観念的な部分もある。最大の問題はありあまる時間がもたらす無気力感であるように感じた。

ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)

ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書)