心はいつも荒野

転落により記憶を喪失した男が、実は幽体離脱により他の人間と人格が入れ替わっており、カルト集団から命を狙われるというストーリー。明らかにオウムを意識する。すこし懲りすぎのプロット。登場人物が多彩な割にその狙った役所がもうひとつわかりにくい。教団の内情の記述、教祖の奇跡の謎解きには失望。と書いてみるとずいぶん酷評になるが、移動中の時間つぶしとしてはまずまず楽しめるレベル。著者の作品は初めてであるが筆力はある。