六番目の小夜子

地方の進学校の学生に秘かに伝えられ「小夜子」のゲーム(儀式)。謎の美少女転校生、その周りでは不可解な事件が相次いで起こって行く。魅力的な舞台設定の中で、物語はクライマックスである学園祭での全員参加の「呼びかけ劇」へと突き進んでいく。結局謎は一部残されたままでやや不満の残る読後感であるが、受験や恋愛という日常生活であっというまに流れていったあの時代を懐かしく思い出した。高校の雰囲気が何か大分の私の出身校に似ているように感じたのは、すでに自分の中で美化している証しだろうか。評価はやや厳しめの「B」。

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)