展望塔のラプンツェル

舞台はおそらく川崎市南部。多民族が暮らし貧しい地区。不良やヤクザが跋扈し、様々な社会問題は日常茶飯事。主人公は児童相談所の職員として日夜搬送する。若いカップルと育児放棄された幼い子供。不妊に悩む中年主婦と3本の線が物語を織りなす。中盤で救いのない暗い結末を迎えるが、その後は時差プロットの種明かし。残された者たちが明るい未来を目指す。読み応えのあるフィクション。タイトルからは大きく離れた物語。