宗歩の角行

将棋ミステリー。江戸末期の天才棋士天野宗歩がモデル。謎の死を遂げた彼の生涯を追って、対戦相手や関係者に聞き取りにより、その人物像を明らかにしていく。定石を無視した火のような攻めと、生活能力は破綻。酒の力によりようやくコミュニケーションが取れるようになる。頭の回転に言葉が追い付かないとは本人の弁。理解しあえるのは数の少ない好敵手のみ。道を極めた者たちのみに許される世界。謎解きよりも世界観の方が主題。微妙な評価。