熱源

サハリンアイヌの物語。日露のハザマで揺れ動く運命。文明からは未開人とさげすまれるが、同化していくか自らの文化を守るかの葛藤。ロシア側にはポーランド人の文化人類学者を絡める。彼自身も妻子を残し、母国の革命に巻き込まれていく。日本側は白瀬探検隊。同道したアイヌ人が存在したのは歴史的な事実。壮大な叙事詩。どんな状況下でも生き抜くことの大切さが主題。直木賞はうなずける。文句なしの感動作。

-生きるための熱の源は人