あと少し、もう少し

中学の駅伝大会が舞台。弱小陸上部は走れる長距離選手が3人。責任感の強い部長が学校中から選手をかき集め、6人で出場。物語は区間に合わせてそれぞれのランナーが自分の事情とレースの展開を語る。中学生という不安な時期に家庭の事情や自分の思いを胸に襷を繋ぐ姿は感動的。駅伝は人の心も繋ぐ。素人の女性顧問が一見ぼんやりしながらしっかり生徒を掌握し、導く役割もいい。もちろん題材は扱いやすいだろうがそれを割り引いてもかなりの秀作。文句なしA評価。

  • いくらでも曲げ伸ばしするのが本当のプライド。

あと少し、もう少し (新潮文庫)

あと少し、もう少し (新潮文庫)