夢をまことに

主人公は近江国友村の鉄砲鍛冶。村の公事で江戸に出た機会を利用し、諸藩の技術者と交流、最新の西洋技術に接する。工夫に工夫を重ね、空気銃や万年筆さらに天体望遠鏡を完成させる。火縄銃の生産が減少した村の事情はあるものの、技術屋としての飽くなき探求心。幕末にすでに潜水艦の実験までしていたことには驚かされる。クライマックスは鏡の鋳造と研磨。さすがに長いが10年の苦労を思うとこれくらいは必要か。著者の絶筆。

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