身体巡礼

老解剖学者が中欧墓所を巡り、死について考えを巡らす。ハプスブルグ家では心臓、その他の内臓、身体をそれぞれ別の廟所に収める。ボヘミアでは数万の骸骨で装飾された納骨堂。復活を信じる一神教では死体への向き合い方が我々と異なる。その意味で世俗的な日本人は死後の世界を彼岸として切り離す。ユダヤ人の特殊な立場についても考察あり。エッセイには圧倒的な読書量から知識がにじみ出るが、途中の哲学的な思慮にはついて行けない部分も。写真は秀逸。続編があるようだ。

  • 日本は天皇制によって時間を担保できる。一般人は過去を断ち切ることが容易。
  • 教会や劇場は虚構の額縁。内部では本当の嘘がつかれる。
  • 墓は人工物であり情報を発信している。受け止める側の問題。
  • 修身斉家治国平天下

身体巡礼: ドイツ・オーストリア・チェコ編

身体巡礼: ドイツ・オーストリア・チェコ編