黒書院の六兵衛

江戸城の開城が決まった後、尾張藩の下級武士が城受け取りの斥候として送り込まれる。彼を待っていたのは威風堂々たる最後の旗本。黙して語らずただただ端座する。調査するうち彼は金銭で落ちぶれた旗本株を買い本人と成り代わったことが判明する。その正体についてはさまざまな説が出るが最後まで謎でとめおかれる。維新歴史上の有名人が説得にあたるが効果なし。最後に天皇と向かい合い、視線だけで会話を済ませて下城。最後の武士の矜恃と良心を示す。初めは振り回された主人公も最後は生き様に共感し別れに涙する。作者得意の歴史人情モノ。上下2冊。週末に一気に読破。

黒書院の六兵衛 (上)

黒書院の六兵衛 (上)

黒書院の六兵衛 (下)

黒書院の六兵衛 (下)