歴史的な日韓条約の調印を目前に控えて、現職総理大臣の孫娘が誘拐される。犯人側と警察側の両面から攻防を描く。北朝鮮の謀略にみせかけて、ほぼ素人の主人公が見事に恨みのある地銀の株価を操作することで目的を達成する。事件後たたき上げの刑事が真相を解明するが、最後のどんでん返しは予想以上。作者の目論見通り読者は犯人側に声援を送る立場になるだけに、ラストの救いは嬉しい。いままでにないプロットと展開。著者の実力を思い知らされた。エンタメとしては破格のA評価。
- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (10件) を見る