蜩ノ記

豊後の小藩が舞台。派閥争いに巻き込まれた中流武士が10年後の切腹を申しつけられながら、藩史の編纂に勤しむ。お目付役として派遣された若い武士が、その人柄と農民への慈愛に惹かれていく。幼い親友の拷問による死亡に憤慨した10歳の長男が見事に武士道を発揮。家族がそれを良しとする美風。最後は長男の元服と娘の結婚を見届けて切腹する。栄達には背を向け、見事な生き様は感動的である。文句なしの名作。

蜩ノ記

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