「できません」と云うな

オムロン(立石電機)の創業者、立石一真氏の伝記。一代でオートメーションの雄を築きあげたカリスマ経営者である。苦学しほんとうの町工場から今日の隆盛を導いたのは先見の明とチャレンジ精神。いかなる客先の要求にもスピード感を持って応え、信頼を勝ち得ていく。昭和30年代からドラッガーの経営哲学を実践。今で云うCSRを社是とする。不採算の電卓事業からは勇気を持って撤退。最後は自ら命名した大企業病と戦い、ベンチャー精神をよみがえらせてみせた。家庭的には二人の妻と四人の子供に先立たれるなど、不幸な面もあるが、その哲学を全うした一生だった。身障者の働き場所を提供したエピソードは感動ものである。

社憲

われわれの働きでわれわれの生活を向上しよりよい社会をつくりましょう。


「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真 (新潮文庫)

「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真 (新潮文庫)