河北新報のいちばん長い日

大震災に直撃された仙台を本拠地とする河北新報。本書は震災当日からのメデイアとしての苦闘の記録である。当日から新潟新報との災害協定を活かして号外を出し、翌日も途絶えることなく発行を続けた。これは地元紙としての使命感に支えられた部分が大きい。まさに命がけで現地へ取材に入った記者たち。それを支えるデスクやおにぎり隊などのサポート部門。輸送、販売店も公器としての役割を十二分に果たした。避難所では停電で新聞が唯一の情報源になったという。一方見出しや写真には被害者への配慮を見せる。地域と一体となった復旧への取り組みは感動的。社名に冠した「白河以北」への中央への反骨精神はいまも息づく。

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙

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