黄金旅風

江戸初期の長崎。貿易商であり代官を務める末次平左衛門が主人公。強欲な長崎奉行竹中重義との対決を軸に、アジアへの雄飛のから鎖国への時代の流れを追う。史実に忠実なようだ。主人公は若い時は悪童として名をはせたが、マニラ制服を狙う竹中家の目論みに、自らの貿易商としての利益を捨てても、長崎の無辜の民を無益な戦乱から救うべ立ちあがる。親友である殉職した火消の組頭の想いが重なる。意に反して踏絵を作りキリシタン弾圧に手を貸すことになる鋳物師の物語が重なる。重厚な大作で読みごたえ十分。真のリーダーシップを問う。

黄金旅風

黄金旅風