楽隊のうさぎ

いじめられていた気弱な少年が名門の吹奏楽部に入部。成長していく姿を描く。パートはパーカッション。最後はティンパニーを任される。中学生の世界とは言え立派な人間関係や多感な悩みが存在する。一曲を仕上げて行くのは石から彫刻を削りだしていく作業になぞらえる。一般的でない吹奏楽曲を文章化して読者の共感を呼ぶのは、非常に難易度の高いことであるはずだが、見事な表現力で自然とその世界に引き込んで行く。秀作。

楽隊のうさぎ

楽隊のうさぎ