シカン展

国立科学博物館で開催中の「シカン展」を覗く。本来別の目的で上野に降りたのだが会期も残り少ないので急遽変更。結果として面白かった。展示品で目を引いたのは黄金仮面と豪華な輿。埋葬状況や発掘状況を映像や模型で再現。考古学の成果を伝えようとする博物館的な展示。観客も気のせいか雰囲気が違う。展示規模としては大きくなくあまった時間で「地球館」を観てまわる。興味深いのは「科学と技術の歩み」和時計から零戦マルスまで。理系の娘がはまるのも頷ける。旧本館の方には
時間が足らず断念。

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2009/sican/index.html


10〜11世紀のペルー北海岸、バタングランデ地域。古代アンデス文明の中でも、きわだって個性的な文化シカンが最盛期を迎えていた。長大な灌漑用水路、驚くべき彫金細工。こうした遺物はシカンがいかに壮大な文化を育んでいたかを物語っている。とくに黄金と青銅を用いた高い水準の彫金技術は、コロンブスが新大陸に到達する以前の南北アメリカ諸文化のなかでも卓越していた。その後、1千年の時がたち、巨大な神殿ピラミッド群は放置され、風化し、崩壊しつつあった。