しゃべれどもしゃべれども

主人公は二つめの噺家。喧嘩早いが古典を愛する好人物。吃音で悩む従兄弟に始まり、いじめに悩む小学生、対人関係に悩む黒猫風の美女、解説に自分を出せない代打男の元プロ野球選手。と癖のある4人のために落語教室を開くことになる。ドタバタの展開のうちに自らも失恋、芸風に悩み壁にぶちあたる。世知際まで追い詰められた後の開き直りでブレークスルーする。解決のキーワードは一期一会。脇役を含めた登場人物の描き分けは見事。機知に富んだ会話で一気に読ませる。最後のハッピーエンドは予定調和だが甘めにA評価を進呈したい。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)