汝ふたたび故郷へ帰らず

奄美の孤島宝島出身のミドル級ボクサー。一度すべてを犠牲にする生活に嫌気がさし、アル中にまで身をやつすが、島を訪問し親友の死を知りその息子と巡り合うことで再起を決意。また今は亡き所属ジムの会長の熱い思いが背中を押す。東京へ戻り新たなジムでのトレーニング開始から復帰戦までを描く。後半の復帰戦の描写は圧巻。一発のパンチが勝敗だけでなくその後のすべてを変えてしまうこの競技の怖さ。彼を支えるすべての人々の想いが読む側にも感動をもたらす。重厚な作品。付属の2短編も良い。続けて読み込んでみたい。

汝ふたたび故郷へ帰れず (小学館文庫)

汝ふたたび故郷へ帰れず (小学館文庫)