チベット問題

3部構成。第一部はダライラマ法王と側近のインタビュー。チベット仏教は輪廻と転生を教義としており法王そのものが活仏である、オープンで快活な人柄であることはよく伝わる。深遠な奥義にせまろうと試みるが、正直消化不良は否めない。第2部は亡命者たちからの聞き取り、中国がチベット国内で現在も行っている迫害の数々が赤裸々に語られる。第3部は亡命政府のプロパガンダ。あくまで非暴力と対話路線で国際世論の支援を要請している。1994年の種本だが状況は好転していない。中国側の移民による植民地化は進展しているということ。距離感と中国の一自治区という先入観があり、どうしても関心が薄れがちな問題であるが、認識を新たにした。

チベット問題 (光文社新書)

チベット問題 (光文社新書)


http://www.tibethouse.jp/home.html