薬師寺展

金曜日の夕方の部。予想以上の人出。女性の姿が目立つ。日光、月光に目がいきがちだが、国宝の「僧形八幡像」が観れたのは収穫。あと塔に納められていた粗造群。こちらは破損がひどくほとんどが木心の状態。聖観音を含めた菩薩3体は日頃絶対観られない視点からの鑑賞が圧巻。特にわざわざ段差を設け、両菩薩のお顔の高さからの視点には驚き。いつもは光背を背負われているせいか、顔の意外な大きさに驚く。問題の後ろ側は時代的には古い聖観音の方が、髪や装飾品など細かい作り。日光、月光の差は微妙だが、個人的なは日光の方が若干スマートでプロポーションが良い。意図的なものではなく完全な左右対象は出来ないということであろう。行きつ戻りつご尊顔を拝しているうちに、なんだか合掌したい気持ちになった。これが仏像として持つ内面の力か。この目玉を前半に配してしまって、どうするのだろうと心配していたが、最後は「吉祥天画像」であった。ほとんどの寺宝が東京出張中で、ご本尊はさびしかろう。満足できる展覧会でした。学生時代にあれだけ通った奈良にもとんとご無沙汰。一度ゆっくり訪ねてみたい。