WEB2.0により本格的なネット社会が到来。そのインパクトの大きさを解説する。対象はマスコミ/個人/人間関係/公共性と4章立てになっているが、共感できるのは前半の2章。誰もが社会的地位に関係なく自由に発言できるようになり、世界のフラット化が進んだ一方、匿名性により公共性が浸食されている。既存メディアの拒否反応は強い。
- 日本のマスコミは戦後長くコンテキスト(前後関係)の部分を軽視し、牧歌的な社会正義感でのみ記事を書いてきた。
- ブログは「われわれ」という仮想の世間に拠る必要がない。あくまで個人の「わたし」が書くもの。
- 同心円社会は姿を消し、コミュニティへの関係は異心円となった。自己の立ち位置を自分自身で確認する必要が生じた。
- インターネットの本質は単体の記事の中にではなく、記事同士が影響しあうその共鳴の中に存在する。
- ネットは世界の対立軸が歩み寄れる場所になるはずだったが、それは希望的観測に過ぎないのが現実。ネット世界は巨大なサラダボウル。さまざまな素材が投げ込まれるが混じり合うことはない。
- どこの誰もが発言できるのが最大の長所であり、最大の弱点でもある。
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/07
- メディア: 単行本
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