激闘ラバウル高射砲隊

陸軍少尉の回想録。防空学校での就学中に原隊は壊滅状態となり、後を追って派遣されたラバウル終戦までの苦闘を精緻に記述。飛行機の急速な発達によってほとんど戦果をあげることのできず注目されなかった部隊の貴重な戦記。著者は大学卒の応召兵であったため二等兵からスタートしている。そのため戦果を強調することなく、兵や現地人に暖かな思いやりを見せる。多数の悲惨な死に遭遇し極限状態での人間の醜さも冷徹描いて見せる。また高級参謀等首脳部への批判も手厳しい。