騙し絵の牙

総合雑誌の編集長が主人公。出版不況の中、苦境を脱するために奮戦する。武器は人たらしの魅力と人脈のネットワーク。何より小説に対する思い入れ。作家をサポートし時に導くことで名作が生まれる。部内の確執、社内派閥の争い、家庭では妻との不和。と問題は山積み。最後はデジタル化廃刊の憂き目にあう。このあたりが物語のピーク。独立しての成功と少年時代の半生が展開されるが、ここは無くても良かったか。主題は誠実な人間像と仕事への情熱と読んだ。甘めのA評価。

騙し絵の牙

騙し絵の牙