調印の階段

外交官重光葵の生涯を描いた歴史小説。上海の爆弾テロで片足を失うが、義足で第一線に復帰し、戦中、戦後の日本外交を担う。ロジックには自信があったようで、チャーチルマッカーサーを対等以上に相手に論陣を張る。最大の山場はマッカーサーに日本政府を認めさせ、天皇の戦争責任を回避したところ、自ら進んで降伏文書の調印に望む、本書のタイトルはミズーリー号への階段。戦後は国連復帰に執念を燃やす。テンポのよい記述は著者ならでは。秀作です。