水を石油に変える人

戦前、海軍相手に大胆な詐欺を仕掛けた男。水に薬剤を加えることでガソリンを製造するという技術を売り込む。化学者としては信じられない話だが、山本五十六次官も実験を許可したという。結局手品を見破られるが、大学教授や企業家を巻き込んで権威づけしていく。彼らも騙された口。切迫したエネルギー事情が背景にあるのだろう。著者は20年間事実を追い求め、文献を漁り本書を書き上げた。脱帽である。

水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬

水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬