日本史の謎は「地形」で解ける(文明文化篇)

好評シリーズの第2巻。土木工学者が地形と気象から、歴史の必然を推理する構成は前作と変わらず、今回も斬新な新説を提示する。論旨は明快で頷かせられることも多い。話があちこち飛ぶ傾向にあるのは著者も自覚しているようで、編集者は苦労しただろう。

  • 徳川の江戸移転受け入れは、近畿地方森林伐採によるエネルギー危機を見越したため。
  • 利根川の東への付け替えは北の伊達への備え。
  • 石狩川のバイパス化により、川底が削れ、泥炭地から地下水が除かれ豊かな穀倉地帯となった。
  • 温暖化により北海道は、食糧基地になりうる。
  • 熱帯の国では太陽は敬遠され、国旗には月と星が多い。
  • エジプトのピラミッドはナイル川の氾濫対策。周囲に土砂が堆積し自然の堤防となる。
  • 日本人の「縮み志向」は、徒歩旅行への携帯性が目的。