さよならサイレントネイビー

オウム地下鉄事件の実行犯である豊田死刑囚。著者は東大物理学科で同窓の親友。頭脳明晰であった彼がなぜオウムの信者となり、大罪を犯したかを問い続ける。遠因は東大の教育システム。修士まで他人の理論のフォローでオリジナリティが発揮できない。迷ったところにオウムの計算し尽くされたマインドコントロールにはまる。性的欲望やドラッグも巧みに利用されたようだ。麻原個人でなく巨悪の存在がほのめかされるが明示はされない。改心した本人は沈黙を守り、極刑を受ける覚悟を示すが、再発防止のため語れと著者は促している。

さよなら、サイレント・ネイビー ――地下鉄に乗った同級生

さよなら、サイレント・ネイビー ――地下鉄に乗った同級生