握る男

寿司屋の小僧として出発した16歳の少年が、外食業界を牛耳るまでにのし上がる物語。語り手は兄弟子でありながら片腕として彼を支えた番頭格。「握る」は寿司では無く人心。作品中ではキンタマとして他人の弱みを指す。急速に成長した組織はあちこちで歪みを生じ、最後にはカリスマとかした総帥は新興宗教に染まるようになる。彼を動かした動機は出生の秘密であり、意外性はあるが。今ひとつの設定。面白くは読めたがあまり深みは無い読後感。

握る男 (角川文庫)

握る男 (角川文庫)