さようならと言ってなかった

都知事在任中、オリンピック誘致合戦の最中に、妻が脳腫瘍を発症。最愛の人を亡くしその後不正借入疑惑で辞任。当時の経過と心境を時系列で記述。同時に大学時代に知り合ってからこれまでの夫婦の歩みを振り返る。売れない作家であった修業時代、小学校の教師として家計を支え、二人の子供を育てた夫人。好奇心であらゆる方向に走り出す著者の最大の理解者であった。献金疑惑については政治家としてはずぶの素人であり、脇が甘かったことは認めるものの、不正は無かったとする。夫人の喪失に比べれば些事のようにも見える。著書のノンフィクション作家としての実力が垣間見える一作。

さようならと言ってなかった わが愛 わが罪

さようならと言ってなかった わが愛 わが罪