赤い追跡者

著者の分身である無頼派プロデューサーが、薬害エイズの真相に迫る。感情的にならず物証主義にこだわるジャーナリズムに徹する。その陰には番組を担当者が被害者や遺族に寄せる思いがある。厚生省と医学界の厚い壁を突き破る取材過程は迫力満点。権力サイドからはさまざまな放送当日までさまざまな圧力が加えられるが、それをはね除け世論を動かす大きな力となった。フィクションとして美化されてはいるが、根幹の部分は事実とかけ離れてはいないようだ。力作。

赤い追跡者

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