ほんまもんでいきなはれ

京都逢坂山、月心寺の庵主である著者の自伝。9歳で寺に入り仏法を学んだ後に出家したが、師匠との確執、恋愛問題などで出奔を繰り返し、ついには仏籍剥奪まで受ける波乱の人生を赤裸々に語る。言わば純粋培養された女性が、世間を知る中で道に迷い苦しむ姿は市井の人々と変わらない。本人のは一途で気の強い性格も一因ではあるのだろう。最後は結局釈尊の教えに帰る。これも悟りの一種であろう。

  • 料理はアマで尼が本職
  • 野菜は美味しく頂いてこそ成仏する。人間も同じ用がなくなるまで何者かに生かされている。
  • お蚕さんは次の転生へ向けて一生懸命自らが入る白い繭を作る。

ほんまもんでいきなはれ―「ごま豆腐天下一」の庵主さん一代記 (文春文庫)

ほんまもんでいきなはれ―「ごま豆腐天下一」の庵主さん一代記 (文春文庫)