天地明察

江戸時代初期に改暦を成し遂げた渋川春海の描く。碁打ちでありながら数学の才能に恵まれ名君保科正之の指名で大事業に取り組む。数学者関孝和との算額論戦での不名誉な誤出題。日蝕を読み違えた大失態を乗り越え、20数年の宿願を果たす。その陰には多くの科学者たちの支えと二人の妻の励ましがあった。特に初恋の人であり、後妻となるえん嬢の溌剌とした娘ぶりはほのぼのさせられる。後半はむしろ政治的手腕で反対派を押し切る。本屋大賞受賞だが、若干主題的には欲張りすぎかという読後感。

天地明察

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