あの歌が聞こえる

連作集。男3人の親友(悪友)の中学入学から高校卒業までを描く。恋愛色はうすく家庭特に親との関係。将来への夢と不安が中心に語られる。作者の得意とするユーモアとペーソスに加え、巧みな全体構成で感動を呼ぶ。各編のタイトルは往時のヒット曲。曲自体のイメージや歌詞が巧みに織り込まれ、背景を固める。世代が近いことを割り引くべきだが好著であることに変わりはない。

あの歌がきこえる (新潮文庫)

あの歌がきこえる (新潮文庫)