下流志向

講演原稿と質疑で構成される。「学ばない」「働かない」若者を作り出した現代日本社会に巣くう根本原因を究明する。日本の子供は就学時にかっての労働主体でなく消費主体となっている。これから受ける教育に対しても「等価交換」を要求する。一方教育には時間軸による評価が不可欠であり、その効果を現在価値で示すことが出来ない。これは日本的な雇用システム下でも労働市場でも同様。解析はやや一面的な嫌いはあるが説得力に富む。解決法は残念ながら示されない。考えさせられる好著。

  • 若者の特性として意味がわからないことにストレスを感じない。平気でスキップする。すなわち「自分の知らないこと」は「存在しないこと」にしている。
  • 現代日本家族の中での貢献度は「誰がもっとも不機嫌であるか」に基づいて測定される。
  • 日本のニートは社会的上昇の機会が提供されているにもかかわらず、自らその機会を放棄してい

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち