最後の大奥上ロウであった土御門藤子。阿部清明の末裔である陰陽頭の家計に産まれ、和宮の降嫁に女官として江戸に下った。鳥羽伏見の戦いの後、和宮の特使として京都に下り、天皇から不戦の詔を得て帰ることに成功する。必ずしも一枚岩でない混成の使節団。妨害する薩長、幕府内部の抗戦派からの抵抗をおつきの女中や伊賀者の尊い犠牲もあり潜り抜ける。一行は最後には達成感で深い繋がりで結ばれる。歴史的には西郷/勝の会談に隠れたが、こういう動きがあったことは事実であろう。実際の旅日記をモチーフにしているが、活劇部分はまったくの創作。エンタメとしては充分楽しめた。1700
- 作者: 植松三十里
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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